第6回 100年先まで残りそうな21世紀生まれの絵本

Q.「紙の絵本」は100年後も

残っていると思うか?

A.残っていると思う。(全員一致)


Q.なぜ残っている?

A.

*親子関係においてアタッチメント(愛着)の確立のため必要なツールであることに変わりはないから。

*市場は小さくなるが、コンテンツは今より増える。

*実在感のない不安定さより安定が求められる。

*情報としてデジタル化しやすいものではない。最後まで残る。

*脳科学の知見から「手でめくる」「右脳と左脳をつかって読む」絵本は教育産業に組み込まれる可能性大。

*キンドルでアメコミを読みまくる我が子(2歳)も、「絵本読んで」と紙の絵本をもってくる。子どもには二つのポケットがあるようだ。

*高価な芸術品として残るかもしれない。

*容器として丈夫なので残る。


Q.どんな絵本が100年後も残っているのだろう?

A.

*乳幼児用のひざに乗せて読むタイプの絵本

*残酷な・かなしい歴史をわかりやすく伝えるための絵本

*手で触る必要(点字絵本)、手で触るよろこびのある絵本(布絵本)(しかけ絵本)

*おかあさんの声で語る絵本、“動く絵”にまさる絵本、ひとりで読む素敵な時間を持てる絵本......魅力あるメディアとしての絵本

*芸術作品としての絵本

*人間の普遍的な価値・倫理観を伝える絵本

*プリミティブアート絵本

*“個の時代”の今、「普通」の意味を問うような絵本

*「自分で補う」絵本

*見えない気分を胸に抱えられるような絵本

*今ロングセラーとして読まれている絵本の大半

*赤ちゃん絵本

*普遍的な人々の暮らしの中に自然が寄り添う絵本

*“共存”をテーマにした丁寧に描かれた絵本・絵を見ているだけで心地よい絵本

*多様な読みが可能な絵本

*日本語のリズムである わらべうたが 知らず識らずに読み手に乗り移る絵本

*手元に置いておきたいビジュアルの絵本

*ページをめくりたくなる衝動を誘う絵本


(その他意見)

・デジタル・アーカイヴにも限度がある。紙が良い!となるはず。


■まとめ

21世紀に入り、社会の不安が日常化しつつある。不安をのりこえ希望を見出さないといけない。

子どもにも大人にも力を与えるような作品が、終わることなく生まれることを希望する。(東條)

絵本の100年と未来研究会

絵本にまつわる様々な事柄をみつめ、学びを実践につなげたいと考える仲間が集まりました。 わたしたちは〈絵本の100年と未来研究会〉の活動を通じて、 「絵本」「子どもと社会」「絵本を手渡すということ」の意味を考え、 実践・発信してまいります。

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